Re Another Life

アニメや音楽に始まり哲学など

映画

なぜ人に作品をすすめるときに多くの情報を渡してはいけないのか

さっき『ショーシャンクの空に』を人生で初めて観た。面白かった。たしかに面白かった。 しかし、それ以上の感想が出てこない。私は何かを見たり遊んだりすればそれなりの感想を書いたり話したりできる人間だ。だが今回『ショーシャンクの空に』では違った。…

庵野監督の放浪癖は『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』にて収まったのか

これは『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』を観た当日、そのまま眠れずに考えた「シン・」の感想である(3/9 朝7時に執筆)。 よってネタバレが間接的にであれ含まれることは避けられない。未視聴の方はブラウザバック推奨。劇場に行って、観て、映像を貪り、…

なぜ『新感染 ファイナル・エクスプレス』がおままごとに過ぎないのか

邦題はもうこれでよい 『新感染 ファイナル・エクスプレス』は韓国で2016年、日本では2017年に公開されたゾンビ映画。ゾンビがはびこる電車に乗ってなんとか300km先のプサンを目指す、というのが物語の大筋。この記事にはネタバレが大いに含まれる。

ホラーにおける ”汚さ” と ”未知” のつながりについて あるいはヒューマンホラーと宗教の関係性について

ホラー作品を観たりプレイしていたりすると汚さという要素が散らばめられていることに気が付きます。不潔な場所、異形の化け物、血や臓物などがそれです。そう考えると清潔なホラーというのはあまり考えられないのではないでしょうか。そしてホラーの条件に…

劣化も無化もせず、ただ積み上がり忘れ去られる映画レビューの繋ぎ止め

ネットに放り投げた文章は自分で投げたのにもかかわらず、同じ自分が書いた新たな文章の積み重ねによって忘れられ埋もれていきます。それでもデータとしての文章はそのまま残ります。誰にも見られないだけでそこには存在しています。観察されない現象は存在…

狂ったスタローン 『ラストブラッド』

『ランボー』から38年、前作『最後の戦場』から12年の時を経てランボーシリーズ最新作にして完結作『ラストブラッド』が日本でようやく公開された。 ランボシリーズはPrime Videoに追加されたことをきっかけに全過去作を予習して映画観へと向かった。自分を…

『ハロウィン』(2018) 殺人鬼マイケルにおける性

『ハロウィン』(2018) ハロウィンシリーズ一作目の40年後を描いた作品。実際に『ハロウィン』(1978)から40年経っているのに加えて、キャストがそのままということで話題となった。 この記事では殺人鬼マイケルの仮面の下に隠された、暖かいとは言わないまで…

塵芥に消え失せる映画レビューの繋ぎとめ

SNSに投げた文章は膨大な数の他の文章によって相対化され、その価値は常に小さくなっていき、いずれ無同然となります。デジタルタトゥーとはよく言ったものですが、そんなものは炎上か一部の特権階級だけが享受しうるものです。映画レビュー置き場、第二弾で…

沖に流れ去る映画レビューを拾って繋ぎとめる

最近Filmarksという鑑賞した映画を記録しておけるウェブサイトを使い始めました。僕がこの短い人生で鑑賞した映画は204本らしかった。記録用とは言うもののそこに投稿した感想は、時間がたつにつれて膨大な情報量によって沖に流されネットの海に消えていくの…

『パラサイト』好きなシーン

先日2020年1月10日に日本で一般公開された『パラサイト 半地下の家族』(韓: 기생충)を観てきたので良かったシーンを挙げる。映画評のようなものを書こうとしたが「そんな単純なものじゃないだろう」と挫折したのでこの単純な投稿に至る。ネタバレはある

弱い『ジョーカー』と弱い私たち

本国での上映前には映画館の前に警備員が配置されたという『ジョーカー』。劇中の「ジョーカー」に共感し、暴力が誘発されるのではないか、というこの懸念は、作品の核をそのまま表わしている。

『サバイバルファミリー』ー想像の共同体としての家族の復権

『サバイバルファミリー』は、2017年2月11日公開の日本の映画作品。ある日突然訪れた原因不明の電気消滅により廃墟寸前となった東京を脱出した一家のサバイバルコメディ。脚本、監督は矢口史靖。主演は小日向文世。第1回マカオ国際映画祭・コンペティション…

『さよなら、人類』の宣伝に見る日本の映画観

概要 スウェーデンと日本のあらすじの違い 日本における映画受容の一つの型 まとめ 概要 『さよなら、人類』はロイ・アンダーソン監督による2014年のスウェーデンの映画。原題は『En duva satt på en gren och funderade på tillvaron』翻訳すると『実存を省…

エヴァ破 感想

戦闘シーンの格好良さ、途方も無いスケールで描かれる使徒の美しさ、シンジくんを含むキャラクターの可愛さ、少しずつながらも確実にいい方向に進展する複雑な人間関係、そして何かよう分からんけどハッピーエンドの雰囲気を醸し出す展開、音楽、効果音、全…

藁の楯 普遍的な悪としての殺人

金曜ロードショーで最近やっていたのを見ました。内容としては殺人の被害者遺族が10億という大金を犯人にかけ日本中が殺人犯の敵となるというものです。殺人犯の警護にはSPを含む5人が当てられ彼らの殺人犯移送の過程が展開されます。

アメリカンサイコ 安易な「妄想だった」説を今一度考える

「イケメンでインテリで金持ちな完璧男。しかし心の奥底には殺人衝動という闇が広がっており徐々に姿を現してくる。」 今作の作品紹介はこんな感じであった。

イミテーションゲーム 唯物論への入り口

今回の記事は視聴直後の感想書きなぐり、というスタンスを取る。正確に調べる必要がある情報や概念についても触れるので、見解がふわふわしていたり、論理の導く先が間違っているかもしれないが、そこはご勘弁を。

アメリカンビューティ 視聴直後の書き殴り

名高いアメリカンビューティーを視聴しました。 書きなぐりなので順番などめちゃくちゃになっている可能性が大いにありますがご勘弁を。

Scissor Hands 本当に怖いハサミは隠されている

「冬に見たい映画」として紹介されていた作品、というのが僕の第一情報であった。 なんとな〜くの概要は「手がハサミの人造人間と少女の恋物語」というのが一般的だろう。そのくらいフワフワしている。 死ぬほど幸せな映画 これが僕の映画の前半に対する印象…

当然だ、再生ボタンを押して座っているだけなんだから。受動的すぎるんだ、映画は。

※下線部分は映画ブロガーの動機を鋭く指摘しているだけなので飛ばしてもよいです。飛ばすと記事が終わります。 映画を鑑賞するとき、あなたはどういった姿勢を取るだろうか。 素直に画面を正面に据えるのだろうか。それとも、あえて仰向けで他人とは違う視…

映画を3Dで見ることによる利点

ジュラシックワールドを3Dで観てきました。MIB 3に続いて3Dで観た映画ですが映像は素晴らしかったですね。 今作の視聴を通して映画を3Dで見ることによる利点というものが浮き上がってきました。 それはズバリ「奥行きの強調」 考えてみれば当たり前のことで…

こんな映画誰が見るんだ 「未来世紀ブラジル」

『未来世紀ブラジル』(原題: Brazil )は、1985年公開のSF映画。監督はモンティ・パイソンメンバーのテリー・ギリアムで、情報統制がなされた「20世紀のどこかの国」の暗黒社会を舞台としている。カルト映画として一部の人間の強い支持を受けている。あらす…