2019-01-01から1年間の記事一覧
本国での上映前には映画館の前に警備員が配置されたという『ジョーカー』。劇中の「ジョーカー」に共感し、暴力が誘発されるのではないか、というこの懸念は、作品の核をそのまま表わしている。
本稿は映画『ジョーカー』に登場するアーサーという人物がいかに民俗学的な道化という枠で振る舞っているのかについて考える試論である。参考文献としては『道化の民俗学』『道化と笏杖』を主とする。気になった人は自分で読んでみてほしい、良書。
屋根裏部屋の上下にさらに部屋がある。ここはいったい何階なのか。底が知れなくなる、そんな話 今回はドイツの哲学者ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ(1752~1814)の「事行」という概念について解説していこうと思います。「事行」とはフィヒテの知識学におけ…
Vtuberについてはかなり前から書きたいと思っていた。周りの友達はVtuberを一切見ていないし、Twitterのフォロワーの大部分がPCゲーマーの自分にはVtuberについて語る場が余りにも少なすぎた。 (最初に言っておくが私が見ているVtuberはにじさんじの数人とシ…
『サバイバルファミリー』は、2017年2月11日公開の日本の映画作品。ある日突然訪れた原因不明の電気消滅により廃墟寸前となった東京を脱出した一家のサバイバルコメディ。脚本、監督は矢口史靖。主演は小日向文世。第1回マカオ国際映画祭・コンペティション…
NUMBER GIRLの「PIXIE DU」という曲に「安吾ははっか タバコを吸いながら 猫の大群を 見たり ふらついたり」という歌詞があって思い出しました。ここで出てきた安吾というのは坂口安吾で間違いないと思われる。 その坂口安吾は自伝の中で(恐らく「処女作前後…
概要 スウェーデンと日本のあらすじの違い 日本における映画受容の一つの型 まとめ 概要 『さよなら、人類』はロイ・アンダーソン監督による2014年のスウェーデンの映画。原題は『En duva satt på en gren och funderade på tillvaron』翻訳すると『実存を省…
どんなゲームも「こういった作品だ」と一言で表現することは難しい。「硬派なアクションゲーム」「高難度のシューティング」「感動的なアドベンチャー」、これらの謳い文句は各ゲームの本質を何も語っていない。 ゲームの本質とは究極的には「ゲームをプレイ…
周りの友達はみんな就職している一方、僕は文系大学院生をしている。 今日は昼の12時ごろにのそのそ起きてコンビニのおにぎりを一つ食べる。そこから自分の研究に何の関係もない川端康成を読んで、パソコンでゲームを始める。冷房はガンガンに。8時間ぶっ通…
中世ヨーロッパには宮廷道化師という支配層に雇われた職業、身分がありました。この道化というのは何を言っても許されるという特異な立場として認められており、王への批判さえも許容されていました。 一介の道化が王権神授説によって正当化された王を批判す…
いつでも手の届くところに小さなノートを置き、何か思いつけば書き込む。いわゆる「覚書」というものを始めました。この記事ではそんな発想のタネをピックアップして広げられるものは広げます。 4/17 11:00 傘の置引きの原因 ・画一的な見た目によって他人の…
人間なら誰しも「人生でこれだけは見ておけ、読んでおけ」という作品があります(無い人はさようなら)。本記事では僕が見つけた人生の名作三つを例にとって「如何に名作に触れられるか」と言う事を考えていきたい。 運、偶然 僕が最近見つけた「人生の」作品…
『カラマーゾフの兄弟』から私たちはどのような教えを受け取るべきだろうか。語り継がれた名作を読むとき、私たちは概してその作品に「正しい読み方がある」と考える。正攻法のあるゲームを攻略するようにその作品の根本的なテーマを目ざとく探すことに夢中…
戦闘シーンの格好良さ、途方も無いスケールで描かれる使徒の美しさ、シンジくんを含むキャラクターの可愛さ、少しずつながらも確実にいい方向に進展する複雑な人間関係、そして何かよう分からんけどハッピーエンドの雰囲気を醸し出す展開、音楽、効果音、全…
生きています。あけましておめでとうございます。カントの「神の現存在の唯一の論証」も「ハイデガー技術論」も途中でほっぽりだしてしまって申し訳ない。 自分で勝手に納得するのは易いですが文章にするとなると途端に時間が止まったように進まなくなります…