2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧
人間的思考に制約された神を認めないというカントのこの考えは、「物自体」を否定して「現象」へとランク落ちさせた人間理性の批判期にも既に通じている思想です。そう考えると味わい深い。
哲学の最も根本的な問いの一つとして「世界の始まりとは何なのか」というものがある。哲学の問題というのは、たいていのものがそうであるように数学のように定まった答えは存在しない。この問いに対しても哲学者は様々な答えを提出してきた。
カントは前回のスタンスと変わらず超自然的現象を認めようとしません。本音としては絶対に存在しないだろうと考えていると思うのですが、当時の宗教的事情が絡んで「奇跡はたまにしか存在しない」という微妙な言い回しになっています。