2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
今回は自然と神の関係といったところでしょうか。例えば敬虔な信者が少なく、無神論者が多い国には罰として地震が起こるのでしょうか。カントの答えはもちろんノー。擬人化された神などもってのほかなのです。
第二考察に入りました。ここからは抽象的な議論が若干抑えられ、より明確な日論が展開されていると思います(当社比)
前回確認した、神の性質から神の存在証明を行うのが今回の考察が担うところです。
前回の第二考察では物事の可能性とは矛盾率に一致する(矛盾しない)だけでは、証明されないことが分かりました。それでは事物の可能性は何に依拠するのでしょうか。今回はその答えを「神」であるとして、その性質から存在を導き出していきます。
前回の存在についての説明に続いて、今回は可能性についてです。可能性=矛盾律の厳守+α(こっちの方が重要)ということを抑えて読むといいんじゃないでしょうか。
『神の現存在の論証』は1763年のイヌマエル=カントによる論文。いわゆる批判前期にあたる産物であり、「啓蒙思想を超克した」として評価された一般的なカント像とは遠い位置にある。全体的に啓蒙思想の傾向が強い。この記事はその概説。