Re Another Life

アニメや音楽に始まり哲学など

私と物とモノ 『嘔吐』の正体

「停留所までお待ちください」 しかし私は相手を押しのけて、電車のそとへ飛び降りる。もう我慢できなかった。物がこんなに近くにあることに耐えられなかったのだ。 ー『嘔吐 新訳』p.226 人文書院 サルトルは主人公アントワーヌ・ロカンタンの口を借りて物…

チェンソーマンを見て思ったこと 箇条書き 1〜3巻

呟きです。9巻まで読んでるのでそこまでのネタバレが含まれる恐れアリ ・一つ一つのコマが映画のよう、カットの連続で進行している感覚(特にバトルシーン) ・パワーは割と一番やばいやつだと思う、闇の悪魔にトラウマ植え付けられたと思ったら数日で記憶を改…

『文化と両義性』 昼と夜のメタファー・呪術の失敗・対立物の一致

山口昌男の『文化と両義性』を図書館で借り付箋だらけにしたものの、返却期限が近づいてきたので、付箋でチェックした部分を本文の引用とともにここに残しておく。主に神話における事象を扱っており、自分のような全くの神話の素人でも楽しく読むことができ…

『カラマーゾフの兄弟』 恐るべきリアリズムですよ

『カラマーゾフの兄弟』から私たちはどのような教えを受け取るべきだろうか。語り継がれた名作を読むとき、私たちは概してその作品に「正しい読み方がある」と考える。正攻法のあるゲームを攻略するようにその作品の根本的なテーマを目ざとく探すことに夢中…

いま世界の哲学者が考えていること 感想

偉大な哲学者が探求した思想を追うのも良いですが、その上に積み重ねられて成り立っている現代の哲学はさらに凄いんだろうな、知りたいなと思い、読み始めました。 しかしこの本のテーマは「今を生きる時代を分析し先の世界を創造する」という、いわば真理の…