Re Another Life

アニメや音楽に始まり哲学など

少年メイド感想 作品を突き詰めること

まず初めに何故アニメ論評サイトでもないのに急に今期のアニメの感想を、しかも「少年メイド」とかいうニッチそうなタイトルを選んで感想を垂れ流すのか、という疑問に対する答えから始める。

1つ目の答えは自分が「少年メイド」を見終わった後に感想を検索したところ、まともな感想が出てこなかったからである。

Twitterの感想まとめという記事はその作品の表面だけを見ることに関しては優れているだろうが、正直本編を視聴した人間にとっては面白くもなんともない。

ないなら自分で作ろうという発想である。

2つ目は「少年メイド」という単語が素晴らしかったからである。これは視聴する前の印象であるので現在における答えは「少年メイド」が素晴らしかったからである、と言える。

  • 母の死からの脱却 主人公は冒頭母の遺影を抱える少年、小宮 千尋である。

「初っ端から重いYO〜」という視聴者の心配をよそに主人公はかなりドライである。恐らく葬儀が終わった次の日に「家事を済ませやる事がないから」という理由で登校、友人に心配される。 備考:友人も可愛い

  • 出会い 下校中に子犬を「成長すれば人を襲う獣となる」という発想のペシミズムお兄やんを助けると、母の弟であった。

イコール親戚として扱われ家に住むことに。しかし我が家を恋しく思う気持ちと、母が自分と暮らすために一族の援助を拒んだという事実を自分に照らし合わせ救いの手をなかなか受け入れようとしない。

だが屋敷の汚さに主婦根性(この場合主夫とした方がいいのだろうか)が燃え上がり勝手に掃除しまくる。

その家事能力と救いの手を受け入れられないという葛藤を鑑みて叔父は少年千尋をメイドとして雇うことを提案。

ここの辺りの子供っぽさや、頑固さの表現が男の子らしくてとても良い。

  • メイド服

そしてメイド服を着るというメインイベントである。これまでの展開はこの場面の為に用意されたと言っても過言ではないカタルシスを感じる。即ち、「頑固で男の子らしい男の子」が「メイド服を着る」という素晴らしい様式を完成させるに至っているのだ。

  • さて 感想を書き散らかしたところで、自分の性癖をさらけ出しているだけのような気がしてきたので、昨今の「可愛いだけのアニメ」に対する自分のスタンスを表明しておこうと思う。

つまりそれらは飲食店で表すと「マクドナルド」のようなものと形容できる。いつでもどこでも望んだいつもの味を享受できる。それも古くて傷んだものではなく新鮮な新しいものである。

そう考えると需要と供給、どちらの面からもその必要意義が理解できるのではないだろうか?

もちろん各作品を食材のように殆んど差異のない存在であると本音では考えてはいない。

ここからは「作品を突き詰めて考える」ことについての話である。

今作に関しても「少年が男の子らしさを出しつつもメイド服を着る」という素晴らしいアイデンティティを確立している。

そういった作品ごとの誰もが納得しうる普遍的な特徴、表現、事象を抜き出して考える事が本当に「作品を突き詰めること」である。

今アニメに関しては気が向き全話を視聴するに至れば「突き詰めた考え」を書きたいと考えてはいるが、その行為自体がなかなかに難しいので至らないかもしれない。そーりー。