Re Another Life

アニメや音楽に始まり哲学など

ツイフェミという蔑称とフェミニズムの違いについて

ツイフェミ(良い表現ではないので以下文脈によってはツイと略して記す)と呼ばれる人たちの言動は、暴動という形で抗議する黒人のそれと同じだと考えられる。

 

彼らはなんらかの厳密な理論を持って暴れているのではなく、これまで自分たちが被ってきた不平等や差別という暴力をやり返しているのに過ぎない。だから彼らに論理を求め、その論理が破綻していることを指摘しても無意味なのだ。

 

 

 

ここで「ツイフェミ」と蔑まされて呼ばれている現象と、学問としての歴史も論理も備わっている「フェミニズム」が全く別のものとして認識できる。

 

多くの人間は論理が破綻したまま暴れるツイを見て「モテない女性のひがみ」とか「話の通じない相手」という印象を抱き、この印象を直接「フェミニズム」に繋げて考えてしまう。


しかし、これは明確に間違っている。学問としてのフェミニズムはより精緻で冷静な視点で描かれている。「フェミニズム」は哲学や社会学にも通ずる学問なのだ。ツイもフェミニズム穿った目で見ているあなたも結局は学問としてのフェミニズムに触れられていないのだ。

 

 


最後に「ツイフェミ」を客観的に描くにあたってツイに対して悪い印象を持った人も多いと思うが、これも間違いだと僕は思う。

 

最初に言ったようにツイの言動は黒人による暴動に重なる。暴動においては店から物が奪われ、建物は破壊されるという暴力的な行為が日常化する。


この行為が明確に非道徳的なのは疑いようがない。しかし、彼らは物を盗み建物を壊す単なる加害者なのではなく、これまで長い間社会という途方もなく大きな存在に痛めつけられてきた被害者でもあるのだ。つまり論理のない破壊行為は反動であり、加害者に対するカウンターパンチなのだ。


ツイにおいてもそれは変わらない。女性というだけで、男性というだけで何かを強制される、何かを制限される、弱くあることが求められる、強くあることが求められる。


このような暴力をツイの人々は日常的に受けている。私たちだって気付いていないのだけで受けている。それをやり返さず黙って耐えていろ、という方が酷なことではないか。

 

確かにSNSという全方向に発信されてしまうものと、怒りに任せた行動は相性が悪い。主語が大きいと自分は性別差別をしていないと思っている人は「ムッ」と思っても仕方がないと思う。


そんな人にこそ「学問としてのフェミニズム」に触れることでツイフェミと呼ばれる現象について理解することができるのでは、と思ってやまない