ネットにおけるフェミニズムをめぐる言説は両性同士のフォビアの道具に終始している。異性のいずれかを悪者にするこの対立はフェミニズムなどではない。
フェミニズムは社会学という立派な学問領域に属するものとして議論されているのであって、ネット上の彼らはなんの専門知識も持たずにただ感情だけで相手に罵詈雑言を投げかけているに過ぎない。
そもそもフェミニズムは男女同権論と訳される。これは互いの性の違いを許容し、その上で平等な関係を築くことを目指す。一方の性を貶し、悪者に仕立てようとする現在のネットの議論は男性側、女性側問わずあまりに不毛である。
先に述べたようにフェミニズムとは本来学問の領域で語られるもので、その手の本の一冊も読んでいない「学のない」人間の声が大きいのを見るとほとほと辟易してしまう。
「学」のないというのは学歴がないのではなく、「学び」がないのである。「学び」がないとは自分の極小の知識を普遍的に正しいと思い込み、新たな知識を手に入れようとしない事を指す。
専門の本を読まずに専門分野を語る事ができると思うのが恥であるように、フェミニズムの知識を持たないままフェミニズムを語る、貶すこともまた恥である。
もちろん僕もフェミニズムは専門領域ではないため上記の説明にも間違いは含まれる(第一波、第二波の違いなど)と思うが、それゆえに学びの日々である。
難しいことは言っていない。フェミニズムには蓄積された歴史があり、議論があり、論理がある。それらをすっ飛ばしてフェミニズムを語れている、又は貶せていると思い込むことは愚かである。そしてそれがネットにおけるフェミニズムを取り囲む現実である。
自身が絶対的に無知であること忘れないで生きていきましょう。紀元前から言われてることっすよ……