Re Another Life

アニメや音楽に始まり哲学など

がっこうぐらし! 漫画とアニメの感想「お願いだから早く死んじゃってくれえ…」

アニメがあまりに面白かったので最新刊である5巻まで買ってきて読んでみました。感想を吐き出したいので書きます。※ネタバレあり

ゾンビという題材

ゾンビという存在は本当に恐ろしい。なんたって人間が人間に襲われて理性を失いつつも、その形を保っているのだから。しかも増える。増える。がっこうくらし!一話を見た時は余りの衝撃のせいで夢に出てきてしまった。寝起きに「ゾンビ」でニュース検索したくらい怖かった。

思うにゲームにおけるゾンビが弱かったりプレイヤーの暴力を受け入れる脆い的であるのは、まともなゾンビを描いてしまうのはあまりにも怖すぎるからではないだろうか。そんなゾンビ達を今作はリアルに在るがままに(何か変な感じだ)に描いてしまった。

「もういいよ…」そんな感じ

ゾンビのある日常を描くというのが今作において一貫しているものであった。通常ならば耐えられないほどの不安と恐怖に耐え続けるだけの生活が続くはずだ。しかし妄想少女ゆきの明るさによって今作の狂気は増長され、また安定していた。

しかし4巻あたりからであろうか。彼女の妄想が現実にある絶望に通用しなくなってくる。この辺りで絶望的な展開も相まってこっちが泣きたくなる。余りの絶望に「もういいよ、死んで楽になってよ…」とさえ思えてきてしまう。

つまり今作の魅力はこの絶望感である。登場人物は「がんばろう!」と前向きになるが僕という一読者はそんな気分にはなれない。

とにかく僕は展開的には生きているキャラクター達とは裏腹に精神的には完全に殺されてしまった。心中はしてくれなかった。

アニメにおける改良

漫画を読んで初めてアニメとの比較できたが正直全くの別物であると考えても良い。展開の順序や広げる箇所、省略する箇所、全てが上手く機能している。アニメだからこそ可能な短時間で多くの情報を含むシーンは本当に素晴らしい。何より漫画とは違う新たな魅力を詰め込もう、という姿勢に大変好感が持てる。漫画を読んでいても十分に楽しみに毎週待てる。そんな作りなのだから漫画を買ってしまってもいいんだよ?