Re Another Life

アニメや音楽に始まり哲学など

エヴァ破 感想

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戦闘シーンの格好良さ、途方も無いスケールで描かれる使徒の美しさ、シンジくんを含むキャラクターの可愛さ、少しずつながらも確実にいい方向に進展する複雑な人間関係、そして何かよう分からんけどハッピーエンドの雰囲気を醸し出す展開、音楽、効果音、全てに魅了された。

 

ちょうど10年前に公開されたこの作品は当時の観客にどの様に迎えられたのだろう。ひどく勝手な想像だが、テレビアニメの伝説となった『新世紀エヴァンゲリオン』が新たな形を呈し、また新たな伝説を打ちたてようとしている、そのような熱狂的な期待と賞賛を持って迎えられたことは想像に難く無い。

 

特に僕の心を揺さぶられたのは『新世紀エヴァンゲリオン』とは一線を画す人間模様だ。例えば碇家の関係。人間の親とは思えない冷徹なゲンドウが墓参りという極めてプライベートな用事にシンジくんを連れて行く。「母親の墓に息子と行く」ということがプライベートの侵害と思われるほど僕の中の碇家は家族として崩壊していた。しかし、そんな奇跡的なことが何のこともない様に描かれるから驚いてしまう。心なしかコナンくんの光反射メガネばりに無機的なゲンドウの瞳にも生気が宿っている。

 

さらには(実質)水族館への遠足や手料理の振る舞い、さらには恋心の芽生え、精神の成長など非常に人間的な行為が盛りだくさん。使徒との戦闘という死の危険と隣り合っているだけにこの様な人間的生活は輝きを増す。

 

続編である『エヴァンゲリオン新劇場版:Q」がすでにこの世に放たれていることに感謝して、近いうちに手にとってみたいと思う。『破』の素晴らしさは語っても語り尽くせないが、大げさな喩えが許されるとしたら「この世の中に留まる理由」とまでも表される。それほどまでに僕はこの作品に価値を見出している。